Jinjer社主催「ニューノーマル時代の人事労務管理3.0」登壇について(お詫びと補足)
補足1:賃上げ後の新たな課題:新卒30万円時代とその数式
補足1で実質手取りの賃上げのための構造化をご紹介しましたが、昨今問題になっているのは、一人当たり平均の中身です。
①1人当たり実質手取賃金↑×人数=㉑新卒等若年者手取賃金↑↑×㉒人数↓+㉓稼ぎ頭中堅手取賃金↑×㉔人数↑+㉕中高年者手取賃金↓×㉖人数↓+㉗定年後再雇用者手取賃金↓×㉘人数↑
前述したように、赤字は経営努力でなかなか変えることのできない矢印です。①のように一人当たり平均で手取賃金を上げることができても、その中身は人口構造の影響を受けます。先ず、新卒で30万円の初任給がどんどん広がって㉓新卒等若年者手取賃金はどんどん上がって↑↑います。それでも少子化でさらに転職が当たり前で㉒人数は↓減る方向です。
となると、実際現場で一番の稼ぎ頭である㉓稼ぎ頭中堅手取の賃金を↑上げてさらには㉔人数↑して確保を図っていきたいです。
そうなると、どこかで賃金総額の金額を調整する必要があるので、どうしても給与に見合わない働きになっている㉕中高年者手取の賃金を↓下げるか、そもそも、賃上げ基調ではあるが、中高年の整理(退職希望・整理解雇)が増えているのは、その層の㉖人数を↓減らす必要があることが、実際に多くで行われている証左です。
最後に、ここが今後の大きな課題ではありますが、㉗定年後に再雇用さられた者の手取賃金が下がる↓ことに対する認識です。雇用保険の高年齢雇用継続給付が最大15%から10%へ2025年4月から改定されます。その他、今後年金の財源問題から、在職老齢年金が再度引き下げられる可能性もあります。しかし、当然ですが㉘人数は↑増加基調なので、この層の手取りはなかなか上げることが難しいです。
この様に考えると、補足1でDX等の人的資本投資をして、生産人口の減少等の構造変化を機に反転をして客単価を上げる等の付加価値を上げたとしても、その配分である人事報酬制度の構築が非常に難易度が高いことが分かります。
今回のセミナーで時間がなくお話ができませんでしたが、弊社がその点、非常に重要でお役に立っていると考えられるのは、人事労務部門が賃金と今後の人数構成をシミュレーションして、人的資本投資と客単価上げ等の、各事業部門への事業計画をMBOとして、人事制度に組み込んでPDCAサイクルを回していくことだと考えており、実際行っています。

